今月の言葉
何が善か、何が悪か
わからない自分
そこに立てない善人でした
親鸞聖人がお念仏のお話をされたときに語られたお言葉を、亡くなられた後でお弟子の方(唯円と伝えられています)が書き残された「歎異抄」という書物があります。
この書物の名前を、一度は聞かれたことがあると思いますが。
その中に
「善悪のふたつ総じてもって存知せざるなり」 というお言葉があります。 そのつづきに
「そのゆえは、如来の御こころによしとおぼしめすほどにしりとおしたらばこそ、よきをしりたるにてもあらめ、
如来のあしとおぼしめすほどにしりとおしたらばこそ、あしさをしりたるにてもあらめど、
煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みなもって、そらごとたわごと、
まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておわします」
と述べられておられます。
私などはいつも何かを聞いたり見たりしたときに、すぐにそれが善いことか悪いことかと判断して選別してしまいます。
善悪を知っている自分と思い違え、対象になっている出来事を選り分けているのではないでしょうか。
その自分を善人と思い違えているのではないでしょうか。
煩悩具足の身を忘れて。