干し柿
今年はやはり暖冬なんでしょうかね。
この時期、お参りに伺うとお茶菓子に干し柿をよく頂きます。お家で作られたものあり、お店で買ってこられたものあり。それぞれに味わいがあります。
ただ今年の場合は、気温が高いためか、寒風があまり吹かず、あの干し柿独特の甘さを思わせる白い粉がなかなか付かないそうです。少しやわらかい干し柿になっていました。
この時期、干し柿を見ると思い出すことが有ります。
2年ほど前に亡くなられた御門徒さんですが、毎年この時期になると干し柿を下さいます。
ある年干し柿を見ながらこんな話をされました。
「この干し柿、はじめは渋くてそのままでは食べられない柿なんですよね。その柿が、冬の寒風と太陽の下で干されて時間が経つと、とても甘い干し柿になるんですね。
同じひとつの柿が、渋かったものが甘く変わるんです。仏法と同じですね。
煩悩に右往左往しながら自分中心に生きていた自分が、仏の呼びかけを聞かされて、同じ自分ながら大切なものが変わってくるんですね。不思議なことです。」
ああそうだなと思わせていただきました。
仏の言葉を聞かせていただくと、本当に大事なことに気付かされます。
干し柿ひとつですが、意味深いものですね。
干し柿を見るたびに、教えてくださったその方を思い出します。